縞縞と今

北九州市八幡東区の緑豊かな山間に
染織家であり、
「縞縞」のテキスタイルデザインの監修者でもある
築城則子のアトリエ「遊生(ゆう)染織工房」が
あります。

手織りの「小倉織」と機械織りの「縞縞」。
染め方、織り方は違えど、
すべてのテキスタイルデザインは、
築城の頭と手から生まれ、育まれていきます。

桜、樫、楠、柘榴、鬱金、金木犀…。
手織りの「小倉織」に用いる木綿糸は、
山野で採集した草木の枝葉、樹皮、根、実などを工房の釜で煮だし、
その液に幾度となく浸して、四季折々の色彩に染め重ねていきます。

一方、「縞縞」の製品に使われる木綿糸は、
築城と染色工場との間で、幾度も試作を積み重ね
限りなく草木染めの色合いに近づけた染料を用いて、
厳しい管理のもと、一定の色に染めあげていきます。

縞は経(たて)糸の並びで柄が決まります。
デザインをもとに算出した「縞割(しまわり)表」という設計図に
基づき経糸をパターン順にならべていく「整経(せいけい)」と呼ばれる作業は、たて縞が特徴の「小倉織」にとって重要な過程です。

「縞縞」の製品でもこの工程に変わりはありません。
織布工場の職人が、築城の作成した「縞割表」どおりに
染糸をセッティングし、機械でドラムに巻き取り、
整経していきます。

右へ左へと杼(ひ)が飛び交う「機(はた)織り」の作業。
踏木を踏むことで上下に開口した経(たて)糸のなかに、緯(よこ)糸を巻いた杼を通し、筬(おさ)で手前に打ち込んでいきます。
帯一本(約5メートル)で4万回近く筬が打ち込まれます。

機械織りでは、140センチメートル幅で織ることができます。
「小倉織」の場合、通常の織りより経糸が切れるトラブルに気づきにくいので、工場の職人は細心の注意を払っています。
それほど「小倉織」は、経糸の密度が高いのです。

草木染めの木綿糸を用いた手織りの「小倉織」。
手仕事ならではの自由な配色によって
独特な律動が生まれます。

左の「小倉織」を基調にデザインされた機械織りの「縞縞」製品。
染糸の選択に限りがある機械織りにおいても
色彩のリズムと立体感は息づいています。

広幅の生地によって新たな展開を可能にした
「縞縞」製品は、
そのシンプルかつ多彩なテキスタイルデザインと
現代のライフスタイルにも馴染む汎用性の高さが
国内外で評価され
インテリアやファッションなど
多様な分野で活躍しています。

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